さよなら夏の日

kuroken2006-08-31

ベッドレスト生活が終わったあとも、午後11時半就寝、午前6時起床という、実に健康的な毎日を送っている黒田です。
朝6時になると自然に目が覚めちゃうんですよね。ベッドレスト生活前は昼近くに起きていたため、朝飯抜きの1日2食だったんですが、早起きのおかげで朝もしっかり食べるようになりました。
せっかく減った体脂肪をそのまま維持したかったので、食事内容や量にも気をつかっています。酒の量も減りました。
水泳も今まで以上に頑張っていますし、血圧や呼吸数、脈拍数にも気を配るようになりました。
エアロバイクが届いたら、そちらも頑張る予定。
……ってなわけで僕、ものすごく健康に配慮するようになっちゃいました。
寝たきり生活の不便さを知り、いつまでも健康でいたいと思った故の結果であります。
まさかここまで気持ちが変化するなんて、実験前は思いもよらなかったんですけどね。


寝たきりの生活は本当につらいですよ。
健康な肉体を持っていて、20日間限定だとわかっていたから、なんとか耐えてこられたんだと思います。
もし、こんな生活が一生続いたら……そう思うとぞっとします。
でも、そんなつらい生活を続けている人が、世の中には大勢いるんですよね。
以前の僕なら、寝たきりで生活する人を見たら、その人自身よりも、まず介護する側を気の毒に思ったでしょう。
だけど……当たり前のことなんですが、本当に苦しいのは介護されている側なんですよね。
正直、これまでは介護なんて面倒なものだという認識しかありませんでした。
でも、20日間のベッドレスト生活で、ずいぶんと意識が変わったみたいです。
今後は積極的に、介護などにも関わっていきたいと思っています。


今年の夏はどこにも遊びに出かけられませんでした。
海にも山にも行かずじまい。
梅雨明けと同時に宇宙へ旅立ち、帰還後すぐに涼しくなってしまったため、真夏の陽射しを浴びることもほとんどありませんでした。
だけど、これまで生きてきた37年間で、もっとも思い出に残り、そしてもっとも自分の意識が変化した特別な夏であったことは疑いようがありません。


「報酬の30万円はなにに使いますか?」
出所するとき、ケアスタッフのかたにそう訊かれました。
「もったいなくて使えません」
それが正直な僕の答えです。
こんなにもつらく、こんなにも楽しく、そしてこんなにも刺激的な夏は、おそらくもう二度とやって来ないでしょう。
だから思い出の品として、30万円はそのまま残しておくつもり(笑)。


というわけで、約50日間にわたってレポートしてきた僕の宇宙旅行体験記。
これにてひとまずおしまいということにさせていただきます。
今後はベッドレスト実験に関する話題があったときのみ、不定期更新していくつもりです。
通常の日記は、本家サイトのほうでどうぞ。

駄文につき合ってくださり、皆様、ありがとうございました。
では、またそのうち!