事前測定1日目

kuroken2006-07-25

今日から事前測定が始まりました。
実験開始も目前に迫り、ワクワク感は日増しに強くなっていきます。
さて、まず最初に行なったのがNIRS測定。


NIRSとはなんぞや?


「肉なら猪のロースが好き」の略ではありません。そんなことはわかってますか。そうですか。
ウィキペディアで調べたら、こんなふうに書かれていました(参考)。
ヘモグロビンやミオグロビンは酸素と結合した時としない時とで近赤外領域での吸光度が異なる。この性質を利用して大脳皮質を初めとしたヒトの組織における血流量、酸素消費などを調べることができる。
医学知識などまるでない僕には、なにが書いてあるのか、わかったようなわからないようなビミョーな感じなんですが、要するに、運動をした前とあとでは血液に含まれる酸素量が変わり、その変化を調べる測定ってことらしいです。
先日の測定練習会で使用したバー付きの椅子に座り、左脚の太ももに4種類の電極を貼りつけてもらいます。たったそれだけで、血液中の酸素の量がわかるんだとか。科学ってすごいなあ。
目の前のモニターに、赤と青の曲線が表示されます。赤いカーブは酸素を持っている、青いカーブは酸素を手放したヘモグロビン、ミオグロビンの数を表しているんだそーな(このあたり、うろ覚え。正確でなかったらごめんなさい)。
まずは、足首に固定されたバーを前方へ押し出し、最大筋力の測定。力を入れると、赤線は下方向へ、青線は上方向へと動いていきます。なるほど。運動すればするほど、酸素を持った血液はが減っていくわけですな。
最大筋力の数値が判明したところで、今度はその数に0.2をかけた値で運動するよう支持を受けました。つまり、2割の力でバーを押せということであります。
筋力は随時モニターに映し出されるので、それを確認しながら力の加減を調整し、2分間、バーを押し続けます。ちょっと強く押すと、すぐに数値が上がってしまうし、かといって緩めると、2割を下回ってしまうし、これはなかなか難しく、そして面白い。まるでゲームをやっているような感覚です。
ゲームの場合、ステージが進むごとに難易度は上がっていきます。この測定も同じでした。
「うわーい、面白い」と単純に喜んでいられたのは、最初のうちだけ。
「次は3割の力で1分間押し続けてください」
力の配分が増えれば増えるほど、微調整がますます難しくなっていきます。しかも、次第に太ももが痛くなってくるし。
「次は5割の力で50秒お願いします」
ひいいいいいいっ!
いやあ、これはきつかった。5割の力を1分近く出し続けるって、相当な苦痛を伴いますね。おまけに、数値がぶれてしまわぬよう、モニターにも集中しなくちゃいけませんから、集中力も必要。なるほど、心身共に鍛えるというのは、こーゆーことをいうのだなと世界の真理を悟りました(大げさ)。
運動を行なっている間は、赤線は下降を、青線は上昇を続けますが、運動を終えると、今度は逆向きのカーブを描き、しばらくすると安定します。おそらく、無重力状態での生活を長く続けていくと、そのカーブの描き方に変化が現れるんでしょうね。今回の実験で、そのデータを収集するわけで。
「お疲れ様でした。運動はこれでおしまいです」
ほっ、よかった。
「最後にもうひとつだけ。ちょっと痛いかもしれませんが」
えええええええ? まだあるの? しかも痛い?
血圧を計るときに使うチューブの親玉みたいなものが、太ももに巻きつけられました。キXタマまで挟み込まれたら大変と、慌ててポジション修正(笑)。
「では、行きますよ。いいですか?」
チューブの中に勢いよく空気が送り込まれます。
をををを、しまる、しまるうううう、あ、いた、いたたたたた。
ちゃんと、タマの位置を直しておいてよかったです。もし挟まれていたら、地獄の苦しみだったでしょう。
太ももを圧迫された状態で5分間。
モニターを見ると、ものすごい勢いで青線は上昇、赤線は下降していきます。なるほど。運動をしなくても、血液の流れを止めてしまえば、こーゆーふうになるわけですね(←と物知り顔で語っているが、実はあまりよくわかっていない)。
苦痛に耐えること5分。
「はい、お疲れ様でした」
空気が抜かれたと同時に、足の先へ血液が流れていくのがわかりました。じわじわあっと脚全体が暖かくなっていきます。をを、これは気持ちいい。案外、クセになっちゃうかも。
僕、マゾっ気はありませんけど、SMの魅力ってのは、案外このあたりにあるのかもしれません。SM万歳っ!
……って、そんな結論に落ち着いちゃっていいのでしょーか?


20日間の実験が終了したあと、同じ測定をもう一度行なう予定。
そのときのために、電極を貼りつけた位置を肌へ直接記入(写真)。消えないように、注意しないといけませんね。
測定はまだまだ続きます。
詳細は明日。