トレーニング〜3

kuroken2006-08-06

日曜日ののどかな午後。
ベッドに寝そべり、お気に入りの音楽を流し、冷たい麦茶をすすりながら、このブログを書いております。
あとは、真夏の陽射しを浴びることができたら、もういうことないんだけどなあ。
……まあ、こんなふうに優雅な気分でいられるのも、今日のトレーニングが午前中で終わったからなんですけどね。
本日のトレーニングは通算7回目。ハードなトレーニングであることは今も変わりませんが、終わったあとの充足感がなんとも心地よく、そのあとの時間を穏やかに過ごすことができます。とはいうものの、トレーニングが始まる直前は、相も変わらずものすごい緊張感なんですけど。


ってなふうに、トレーニングについて気楽に語れるようになったのも、ここ2、3日。最初の頃はホント、大変でした。
そんなわけで、昨日の続き。
「あわわ、あわわ」と怯えながら遠心機に乗り込み、「いやあっ! まだ動かさないで! ごわいよおおっ! おがああぢゃああああん!」と泣き叫んだところで、願いを聞き入れてもらえるはずもなく、非情にトレーニングはスタート。
……あれ? 思ってたほど気持ち悪くならない?
ようし、これならなんとかなるかも――と思ったそのとき、


バキッ!


いきなりペダルから左足が抜けました。Gがかかっているため、とっさに脚を縮めることもできず、空回りするペダルが向こう脛にガンッ!
「ちょ、ちょ、すとっぷ、すとーーーっぷ! ペダルがはずれましたあっ!」
最初のトレーニングはわずか3分で中断(涙)。
一度回転を止め、足とペダルをしっかり固定してもらったところで、再びスタートしました。
……と今度は、お尻に激しい痛みが。
足のほうへ引っ張られる身体を支えているのは、ほとんどサドルの上だけです。そこにGが加わった全体重がのしかかってくるわけですから、そりゃまあすさまじいことになりますわな。次第に、お尻全体がジンジンと痺れてきました。三角木馬にまたがったマゾヒストおじさん状態。クセになっちゃったらどうしよう? ぽっ(赤面)。
累計13分を経過したところで、お尻の痛みに耐えられなくなり、「止めてください!」と叫ぶ僕。停止した途端、それまでサドルに圧迫されて止まっていた血液が、じゅわじゅわあっと流れ出したらしく、お尻の下がなんだかミョーになま暖かくなってきました。一瞬、「しまった! もらしたか?」と焦っちゃいましたよ。
でも、このお尻のなま暖かい感じが結構気持ちよくて……ひょっとしたらクセになっちゃうかも。ぽぽぽぽぽっ(ど赤面)。
このトレーニング――どのようにハードなのか、説明するのがなかなか難しいんですが……。
ラソンとか水泳などの「しんどい」とはかなり質が違うんですよね。疲労することがつらいのではなく、もっと身体の内側のほうのなにかがいじめられているような気がして……。
呼吸も奇妙な感じ。回転しているときは、ひじょーに呼吸がしづらくなりますが、とくに息苦しさを感じるということはありません。しかし、回転が止まった途端、全力疾走を終えたあとみたいに息づかいが荒くなるんです。
さらに、体温。普通は運動すればするほど身体が熱くなっていくものですが、回転で生じる風のせいなのか、それともほかに医学的な理由があるのか、汗はかいているのに薄ら寒い感じがします。まさに、冷や汗みたいな感覚。
この不快感は、日常ではそうそう味わえるものではありません。
結局、この日のトレーニングは3回休憩を挟むことで、なんとか規定の30分をクリアしました。
全身、汗びっしょり。しかし、「いい汗をかいた」という気分にはなれません。ただ、このトレーニングを境に、それまでずっと続いていた悪心がおさまったのは嬉しかったです。
正直そのときまでは、20日間の宇宙生活を耐えられるかどうか、まるで自信がありませんでした。でも、トレーニングを終えたところで、ちょっとだけ自信が湧いてきた僕だったのでした。