うんことの激闘

kuroken2006-08-10

気がつけば、宇宙へ旅立って11日目。
今日から後半戦へ突入です。
意外に思われるかもしれませんが、毎日あっという間に時間が過ぎていきます。宇宙旅行中に、あれもしたい、これもしたいなと思ってたんですけど、ほとんどなにもできないまま、半分が終わっちゃいました。本なんて、20冊以上持ってきたにも拘わらず、まだ1冊も読み終わってないし……。


さて。


今日も


うんこの話です。


いくらなんでもフォントでかすぎ。


宇宙旅行2日目。
朝食を終えたところで、激しい便意が訪れました。
僕、ひじょーにわかりやすい体質でして、いつも「食べたら出る」んですよね。この日も、僕の身体は朝食が胃に入ってきたことを認識して、「うんこしたいぞ」と脳にサインを送りました。
しかし、状況は普段と大きく異なっています。
果たして、ベッドに寝そべったまま、僕はうんこをすることができるのか?
どきどきどき。
ナースコールを鳴らし、「すみませーん、うんこしたいんですけどー」と、大声でケアスタッフを呼びます。この段階で恥ずかしがってたら、先へは進めません。
手渡されたオムツ&猫砂入りの簡易便器(写真)をお尻に当て、さあ、いよいよ運命のとき。
「ふむむっ!」
気合いを入れて踏ん張ると、ををををを、難なく出たよ。出ちゃったよ。
これにはちょっと拍子抜けでした。おしっこのときはあんなに苦労したのに、うんこの場合はいつものように力を入れたら、普通に出てきます。
なるほど。考えてみれば、大人になってからおしっこを漏らしたことはないけど、うんこのほうは何度か経験があるもんな。あわわわわ。
……話を元に戻しましょう。
比較的ゆるいうんこだったため、とくに力む必要もなく、スムーズに排便終了。ただし、横になりながらの排泄なので、お尻をなま暖かいうんこがつつつーと伝っていくのが、はっきりとわかります。これは相当に気持ち悪い。さらに、便器にたまったうんこがぴちゃぴちゃとお尻に触れ始め、


「いやああああああああっ!」


ついにパニック状態。慌ててナースコール。
「こぼれるうううっ! こぼれちゃううううううっ!」
「落ち着いて、黒田さん。大丈夫です。そのまま、ゆっくり横を向いてください」
「ダメっ! 横向いたら、お尻についたうんこのしずくがこぼれる! こぼれる!」
「心配ありませんから。あたしを信じて」
「ホント? ホントに大丈夫?」
「ゆっくり横を向いて……。そんなに力を入れなくても大丈夫です」
あとからよくよく考えてみれば、僕、思いっきり下半身丸出し状態だったわけですが、そんなことになどかまってはいられませんでした。うんこまみれのお尻を見られることにも抵抗感はナシ。とにかく一刻も早く、お尻を拭いてもらいたい――そう願うばかりで。
トイレットペーパーとウェットティッシュを使い、実に手慣れた様子でお尻拭き終了。
「もう大丈夫ですよ」
「あう……ありがとございます」
こうして、僕の最初の戦いは幕を閉じたのでした。


不思議なんですけど、においはあんまり気にならないんですよね。
頭の位置がお尻よりも下にあり、その一方で臭気は上へと昇っていくため、くさいと感じないのでしょーか?
ってことは、ケアスタッフの人たちは、毎日ものすごい悪臭と闘ってることになりますが、そーゆー表情はまったく見せません。さすがプロ。


さてさて。
なんとか無事に終わった最初のうんこ。
ここで油断したのがいけませんでした。


真の悲劇は2度目の戦いの場で起こったのです。


(次回、「うんこの逆襲」に続く!)