性欲

kuroken2006-08-18

今日の写真は、「なにを書いてくれてもいいですよ」とケアスタッフに手渡された大学ノート。
毎日、メモ代わりに思ったことをつらつらと書き綴っています。
これを読んだ友人には、「小学生の作文か」と笑われたけど。
文字が汚いのは、寝たまま書いているからです。ホントはもっと綺麗なんですよ(必死で言い訳)。
このノート、ケアスタッフの皆さんがコメントを書き込んでくださるようになり、交換日記帳と化してます。毎日、若い女の子たちにマッサージしてもらい、しかも交換日記までできちゃうなんて、この先、もう絶対にあり得ないシチュエーションですよね。うーん、しあわせ♪


僕より1日早く宇宙へ旅立った先輩パイロットの2名が先ほど、最後のトレーニングを終えてステーションへ戻ってきました。彼らは明日の朝、地球へ帰還します。
ただし、すんなりと起き上がれるわけではなく、20日前に行なったあの超ハードな測定を、再び受けなければなりませんが……。
僕も明日が最終トレーニング。明後日の朝に地球へ降り立つ予定です。


さて。
今日の話題は、タイトルからもわかるように、またもやシモネタです。しかも、生々しいです。だけど、やっぱり語っておかなくっちゃ。
……苦手なかたは読み飛ばしてください。
皆様からいただいたメールの中で、飛び抜けて多かった質問は、


「性欲はどうやって処理しているの?」


……そりゃ、気になりますよね。
僕も宇宙へ旅立つ前は、その点がずいぶんと不安でした。
ベッドレスト生活に入る前に、思う存分××しておこう――と思ったんですけど、事前測定が想像以上にハードで、そんな暇はまったくナシ。結局、普段以上になにもせぬまま、宇宙生活へと突入しちゃいました。
……ってなわけで、もう3週間以上、そのまんまの状態。こんなの初めての経験です。
日々、悶々としているんじゃないかと、心配してくださるかたも多いんですが、不思議なことに、まったくそーゆー気は起こりません。ホント、聖人になった気分。
「絶対にできない環境」ってわけじゃないんですよ。排泄のときは下半身を丸出しにしているし、「ううん……あうう」と声を出して力むこともあるから、まずばれることはないと思います。ティッシュも消臭剤もちゃんと用意してあるし、みんなからもらったオカズ本だって山ほどあるし(笑)。
やるのが恥ずかしいってわけでもありません。だって、排泄だってベッドの上で平気でできちゃうんだもん。まあ、どっちが恥ずかしいかは人によって違うでしょうけど。
とにかく、性欲はゼロ。
やはり、寝たきり生活だとそーゆー部分も不健康になってしまうんでしょうね。昨日お話した「食欲があるのは、健康な証拠」ってことと同様、「性欲があるのは、健康な証拠」なんです。
今後は、丸めたティッシュを見つめ、「今日も性欲旺盛でよかった」と健康に感謝しちゃうかもしれません。


……今日、昼寝をしているときに、ちょっとエッチな夢を見ちゃいました。
ベッドレスト開始以降、初めての経験。
旅も終わりに近づき、ちょっとずつ元気になってきているのかな?
なんだか急に楽しみになってきたぞ。